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クリスマス・キャロル
12月も半ばに入り、街はクリスマスムード一色です!
住宅街でも電飾を庭の木や外壁にくくりつけて、
華やかに家を彩っているところが多くあります。

皆様はどんなクリスマスを過ごす予定ですか?

そんなクリスマスを題材にした映画をご紹介。

英国の小説家・ディケンズの中編「クリスマス・キャロル」を原作とした映画はたくさんありますが、
おすすめはこちら!!
『ミッキーのクリスマス・キャロル』 (Mickey's Christmas Carol)
1983年、監督 バーニー・マティンソン
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ディズニーのなじみのキャラクター、ミッキーマウスドナルドたちが、
物語の人物を演じています。

初老の商人スクルージは、ケチで傲慢で金の亡者。
ロンドンの下町に事務所を構えていますが、冷酷で無慈悲であるゆえ、みんなの嫌われ者。
明日はクリスマス。朝から甥っ子や慈善団体の紳士などがスクルージのもとに来ますが
みんなを追い払ってしまいます。
そんなクリスマスイブの夜、過去の共同経営者マーレイの亡霊が現れ、
金銭欲がいかに身を滅ぼすか、スクルージに忠告をします。
すると、 「過去」 「現在」 「未来」 の3人の精霊が彼のもとに現れ…
スクルージは、過去の希望に満ちていた自分の姿、
現在の貧しくも家族の愛を大切に生きる人々の姿、
そして、未来の無残な自分の運命…それらを見て、
会心します。そしてクリスマスの朝を迎えるのです…。

基本的にはキリスト教の教えが元になっているようですが、
宗教にかかわらず、多くの人に受け入れられる作品だと思います。
他人への慈悲の心の大切さや家族愛などを描く作品となっております。
同時に、物欲や金銭欲にかられすぎると大切なものを失うということを忠告している作品です。

この映画の見どころは、ディズニーキャラクター達が登場人物を演じているところと、
アニメーションによって、よりファンタジックに描かれているところです。

クリスマスの時期、ご家族皆さんでご覧になって暖かい気持ちになってください


映画の中の家~アメリカ「ギルバート・グレイプ」編
こんにちは。
久々に「映画の中の家」シリーズです。

今回ご紹介するのは、青春映画の名作「ギルバート・グレイプ」
(ラッセ・ハルストレム監督/1993/アメリカ)です。

生まれてから24年、退屈な街を出たことがない青年ギルバートは、
知的障害を持つ弟アーニーと、過食症と病む250kgの母親、二人の姉妹の面倒を見ている。
毎日を生きるだけで精一杯のギルバートの前に、ある日トレーラーハウスで祖母と旅を続ける
少女ベッキーが現れ、ギルバートの心にも少しずつ変化が起こっていく…

ジョニー・デップレオナルド・デカプリオの共演作として有名ですが、
夢とは?家族とは?故郷とは?と、
考え出せてくれる作品です。

ここで出てくる主人公の住む家はアメリカの一般的な木造住宅で、
色あせた羽目板の外壁が主人公のやるせなさや、田舎町のさびれた印象をより強調しているように感じます。
一方で、ベッキーの住む(移動する)トレーラーハウスは、決して土地に定着することなく
旅を続ける彼女を表すように、自由の象徴でもあります。
対照的な二人が次第に惹かれあい、ギルバートの心境に変化をもたらした時の、
夕日に照らされた家を見るまなざしが印象的です。
家族を思うがゆえに自分を押し殺してきたギルバートが、
何かを見つけた…そんな瞬間だと感じます。

最近疲れてるな…と感じる皆さん、ほっとする何かがこの映画にはあります。
ぜひ、お試しあれ!

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映画の中の家づくり~アニメーション・フランス編~
映画の中の家~アニメーション・フランス編~ということで、
今回ご紹介するのは
 「ベルヴィル・ランデブー」 
(2002/シルヴァン・ショメ監督/フランス)

です。

自転車レース(ツール・ド・フランス)に出場することになった
青年シャンピオンと、そんな彼を応援し、
日々のトレーニングにつきあうおばあちゃん。
しかし、レース当日に誘拐犯にさらわれて…

そこから始まるおばあちゃんと愛犬ブルーノの救出劇です。
ほとんどセリフがなく、デフォルメされた少々グロテスクなキャラクターたちが
これまたデフォルメされたフランスの街を舞台に活躍する映画です。

日本人にとっては、風刺画のようなデフォルメのきついキャラクターは
可愛らしいとは言えないかもしれませんが、
セリフがほぼないなかでも、ジプシー・ジャズの軽快なリズムと、
途中で出会うおばあちゃん三姉妹の歌う「ベルヴィル・ランデブー」が
頭から離れなくなるほど癖になる映画です。

このアニメに登場する彼らの家は田舎町の農地の真ん中にあるレンガづくりの小さな家で、
部屋に飾っている写真やポスター、飾りなどもその人物像を表すために
細部までこだわって描かれています。
街の絵は、実写版のフランス映画で見るパリの町よりも薄暗く
郷愁を感じさせる雰囲気がします。

冒険活劇というほどの派手なアクションがあるわけではありませんが、
細部までこだわって描かれた背景の数々、キモ可愛いキャラクター達、ジプシー・ジャズに
惹きつけられる人も多いのではないでしょうか?

子供向けではなく、大人向けのアニメ映画です。
一度お試しあれ!


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(C)2002 Les Armateurs/Production Champion/Vivi Film/France 3 Cinema/RGP France/Sylvain Chomet






映画の中の家 ~アニメーション編~
皆さん、こんにちは!
初夏の晴れ間が心地よい季節ですね。

今月は誰もが知っている宮崎アニメ
「千と千尋の神隠し」(2001/宮崎駿監督/日本)
の紹介です。

映画の内容は、誰もがご存じの通り、
不思議の国に迷い込んだ10歳の少女・千尋が、
様々な出会いを通じ、困難に立ち向かう成長&冒険物語です。

この物語のストーリーや登場するキャラクターも魅力的ですが、
特に魅力的なのが様々な建物です。
冒頭の山を切り崩してつくられた郊外団地の家並み、
そして不思議の国の門、バブル期を思わせるテーマパーク建造物、
そして千尋の父母が食事をするシーンの台湾風屋台、
油屋の木造複層建造物などの様々な建物が目を楽しませます。

台湾風の屋台は九份という街をモデルにしているようで、
レトロで雑然とした雰囲気が画面からも伝わってきます。

油屋は特定のモデルはないようですが、
日本各地の温泉や旧家の建物を参考にしているようです。

日本のアニメーションのレベルの高さは、
こうした細かい風景描写にも反映されているようですね!


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映画の中の家 ~インド「モンスーン・ウェディング」編~

雨、雨、雨…な日が続く毎日ですが、
6月と言えば 「ジューン・ブライド」と言われるように、
6月の花嫁は幸せになれるというジンクスがあります。
(とはいっても西洋の文化ですが…)

そんな季節にピッタリなのがこの作品
「モンスーン・ウェディング」 (インド/ミラ・ナイール監督/2001)

バルマ家の長女が親の勧めで結婚することに。
家で伝統的な結婚式をするために、世界中から親戚を呼び、
披露宴会場づくりにてんやわんや。

家族思いの父親は準備に大忙し。
しかし、一方主役の娘は過去を清算できずに悩み、
仲良しの従姉妹も何やら秘密を抱えている。
父親にこき使われるウェディング・プランナーはメイドに恋をして…

結婚式までの4日間の悲喜こもごもをユーモアたっぷりに、
そしてそれぞれの視点を織り交ぜた群像劇として描かれます。

インド式の婚礼衣裳やマリーゴールドの黄色い花々の美しさも必見です。
バルマ家は上流階級ゆえ、広大な敷地に現代的な家を建てていますが、
随所にインド的な色彩や装飾が散りばめられており、
オリエンタルでエキゾチックな雰囲気が伝わってきます。

広大な庭に建てた特設テントの下、
モンスーンの雨に濡れながら踊り歌うラストはとってもハッピー

世界中に移住したり留学したり…とグローバルな生活をしている
現代インドの人々の実情とは裏腹に、時代や国を隔てても尚強い家族の絆
色濃く描かれた作品です。

結婚式をする人もそうでない人も、ぜひインド式結婚式を味わってみてください


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